協力は大切だが難しい部分も
多職種で協力することの大切さと難しさ
介護現場で他の職種のメンバーそれぞれが正確な情報を共有し、チーム全体が協力しながら業務を進めることが基本です。しかし、実際に多職種が加わっているチームを稼働するとなると難しいと感じることが数多くあります。例えば、介護職が利用者の認知能力の低下に気づいてそれを医療分野の専門職に伝えたとしても、医師から適切な指示が返ってこなければ介護職は十分な対応ができないかもしれません。医師からよく観察しておくように指示されたとしても、何をどのように観察しておけばいいかの説明が不十分なら介護職が異変に気づくことなく、本当に必要な情報が共有されないままになってしまいます。服薬管理が不十分なら病気を発症するリスクが高まりますが、介護職にその認識が薄ければ兆候は見過ごされてしまうでしょう。医療分野の専門職と介護職の間で状況を正しく共有するためには、医療側の的確な指示や説明と、普段介護にあたっている職員の正しい認識と気づきが欠かせないのです。ツール等を用いるなどして情報共有の土台はしっかりと作ってあったとしても、共有すべき情報が理解できていないならチームとしての機能は停滞してしまいます。
チームがうまく機能しないとどうなるのか
介護チームがうまく機能しないということは、人の命に関わる重大な問題です。メンバーひとりひとりの能力は高くても、うまく連携できていないならいい仕事はできません。それぞれの職種同士で意見が食い違うなど、ケアの方向性が定まらないのも失敗の原因になります。方向性が合っていても、報告・連絡・相談のサイクルが機能していなければケアの質は格段に落ちてしまいます。重度の要介護者ならば、最悪の事態に発展してしまう可能性もあります。チームに属する人それぞれが責任感を持ち、連携の重要性を認識していればリスクを最小限におさえることができます。しかし、たった1人でもそこからそれてしまうなら、重大事故が発生してしまうこともあるのです。そのような事態を防ぐためには、チームとしてケアの方向性を定めておくことが大切です。方向性が統一されていれば現場が大きく混乱することはありません。
体験談からチーム連携の難しさを学ぶ
実際に介護現場で起こったケースから、チーム連携の難しさについて学ぶことができます。訪問看護専門メディアの「CAREBOOK」に、多職種連携の難しさをうかがい知ることのできるエピソードが掲載されています。介護現場でどのような問題が起こりうるのか、より具体的にイメージするのにとても役立つ記事です。これらのエピソードから、介護チームの一員となった際に自分がどのように行動すればいいかのヒントを得ることができるでしょう。
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